カレンダー
八月が終わってリビングのカレンダーをめくると、あなたはその日を指差した。
「この日は何の日?」
もちろん知ってるよ。私は笑って尋ねる。
「花マルつけちゃう?」
「つけちゃう!」
カレンダーのその日はマジックの大きな花マルで飾られた。
あなたはまだ知らなくていいかな。
遠い国でとても悲しいことがあったということを。あの日崩れ落ちる高層ビルに世界中の人が自分の目を疑っただろう。
でも私にとっては、大切なあなたと出会った日。何でもない普通の暑い日だった。
#24
9/11/2023, 10:54:59 PM