宵風に吹かれたい

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皆んな、飛べる羽を持っている。だから、成長するといつの間にか皆んな空にいる。
私には羽がない。飛べない。

幼い頃、私は飛べていた。他の子より全てが優秀だった。
でもある時、私を憎む子が現れた。その子は私に武力、学力で勝てない事を知っていた。だから私に一方的に罵声を浴びせた。
衝撃的だった。力が入らなくなりへたり込んだ。
その時、あの子は無慈悲にも私の羽をもぎ取った。
あぁ、やめて。私は、まだ、飛びたい。
それからだ。あの子からの罵声や、弱くなった私への暴力が始まった。
今はもう関わらなくなったけど、いつまでも忘れられない記憶だ。

あぁ、良いな。皆んなは自由に飛べて。私にも、羽があれば飛べたのにな。

今、羽を持っている者たちよ。
自分の羽を育てろ。他人の羽をもぐな。
優雅に、そして、自由に、飛べ。

これは飛べない私の願いだ。

7/19/2025, 10:47:20 AM