光合成

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「雪の静寂」

ねぇ、笑ってよ。
君の笑顔が好きなんだ。
寒さで鼻先が赤らんでて、あぁ、可愛いなって。
でも手のひらは暖かくて、あぁ、好きだなって。
その温もりが僕は大好きで、ずっと触れていたかった。

どこに惚れたのかは分からない。
何がきっかけだったのかも分からない。
でも出会った時からきっと運命を感じてた。
なんか、分からないけれど、君の傍は暖かかった。
寒さの苦手な僕は、君から離れられない。

コロコロと鈴を転がしたような声で君が笑う。
楽しそうにどうでもいいことを話す。
そんな時間が何より愛しかった。

雪の降る夜。
どうしてだろうか、鈴の音が聞こえない。
君が隣にいるというのに。
その温もりを感じられない。
両手には冷めた君の首筋。

雪の静寂に包まれて、君もどこかに紛れて降り積もってしまったのかもしれない。

2025.12.17
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12/17/2025, 1:30:09 PM