るに

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冬は寒い。
吸う空気が冷たくて
鼻も喉もキーンと痛い。
でも冬は独特の乾燥した匂いが漂っていて
私はその匂いが好きだ。
いつもと変わらない12月のある日、
冬の足音はすぐそこまで
じゃあ、出迎えてもらおうと
私は毛布にくるまる。
こんな寒い日は誰も外に出ない。
冬の空を全部全部一人占めにするんだ。
無理に笑ってみせた。
遠すぎる冬の記憶。
一生一人でも
二度とここへは帰れなくても
待っている景色はきっと綺麗。
それは私だけの冬だった。
さよならって言ったって
簡単に冬は去ってはくれないし、
それで全て終わってしまうような
季節じゃない。
変わらない日々が
嫌と言いつつも何となく好きで
空も星も
私のことも
いつか好きになれますようにって
流れ星に願ってみたり。
"Good Midnight!"
冬の冷たく強い風で
季節外れの風鈴が鳴り響く。

12/3/2025, 4:12:05 PM