理想郷
今の私に理想などない。現在は郷を離れているが、離れたからこそ郷の良さを知った。空気の味がおいしいところ、時間がゆっくり流れているところ、料理に深みがあっておいしいところ、親戚がたくさんいて和気あいあいに話せて楽しいところ、学生時代の思い出がたくさん詰まっているところ。あの頃は気づかなかった良さ、居心地の良さを知った。
そんな私だが、やはり昔の自分には理想があった。すぐ電車がくるような都会で、若者が集まる原宿などのお店に学校帰りに行って…。もちろん理想を持つことは自由だが、理想というのは自分が得するようなことだけを集めた夢に違いない。
私は暮らしに理想を持つことをやめ、今の暮らしをいかに充実させたものにするかを考え、想像することにした。
10/31/2024, 11:36:13 PM