マナ

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彼がすっかり特別な存在になっていることは、どう足掻いても明白だった。

彼の姿を目にできなかった日は、不思議なことに、周りの景色の彩度が落ちる気がする。日がな1日、活力が足りてない感覚がした。

いまはまだ、挨拶を交わして、少しだけ世間話をするだけの関係だ。

本音を言えば、もっともっと彼と仲良くなりたい。
休みの日に待ち合わせして、一緒に遊びに出かけたい。

いつもの休日はどんなことをしているんだろう。
好きなことは何だろう。
苦手なものって有るのかな。

彼のことをもっと知りたい。欲がどんどん膨れ上がって、自分がこんなに強欲だったなんて初めて思い知った。

通学中も、お昼休みも、帰宅して夕食前に宿題をする時も、彼はどうしてるのかなって考えてしまう。
彼も私と同じ気持ちになってくれてたら嬉しいのに。


『特別な存在』

3/23/2024, 1:27:38 PM