まだ大丈夫。あと少しだけ。その小さな繰り返しでここまで来てしまった。
自身の内に積み重なってゆくそれは己が止まらない以上減ることはなく。ここで止めておかないと近い未来に必ず地獄を見ることになるのは今までの経験から嫌という程知っている筈なのに、それでも止められなかった。
弱い自分。逃避だとは理解している。だからこそまだ理性の残っているうちに止めなければならない。
終わる。終わらせる。他の誰かの手や言葉ではなく、自分自身の意思で終わらせる。その決意を胸に手を挙げた筈なのに。
「…………生、追加でお願いします」
「よろこんで!」
店員のお姉さんが他のテーブルへと運ぶ焼き鳥の匂いに、私の決意は呆気なくビールの泡と消えた。
/終わりにしよう
7/15/2023, 11:12:00 PM