『君の背中を追って』
ハイハイしだした
君の背中を追っていた私は
小さな成長を感じていた
それを感じている自分に
自分で少しだけ驚いていた
立ち上がり歩き出し
そして走れるようになった
君の背中を追っている私は
君の中から溢れ出る
太陽のようなエネルギーに
驚きを隠せないでいた
追いつけない自分にも
違う意味で驚きを隠せない
自分の変化に困惑して
怒りや悲しみを露わにして出ていく
君の背中を追っていく私は
何をどうすればいいのか
よく分からなくなっていた
自分の時もこうだったのかもと
今になって自分の親の
そのすごさを知ることになり
ただ見守ることの大切さも知った
自分の道を見つけ出し
好きややりたい事を追いかける君
それが気になり気がつけば
君の背中を追っている私がいた
かつての自分の時代には
無かったであろうものや
今まで避けていたもの達に
改めて興味が湧いてきた
年甲斐もなくはしゃぎ
気分だけはまるで君と同年代
大変なことも多々あったが
なんだかんだ充実していた
君の背中を追って……
行くことが出来なくなってきた
さすがに老いには敵わない
だけど結構幸せだった
まだまだ追いたいその背中
だけどそろそろ私は行こう
大丈夫、これからも
君の背中を、見守っているよ―――
〜シロツメ ナナシ〜
6/22/2025, 5:32:42 AM