安らかな瞳ぬるり、と生温かい赤い液体が手をつたう。短剣を持つ手が、すべりそうになる。白い服の胸元を朱に染めて、彼女は薄らと微笑んだ。短剣が刺さったままの姿で、身体が冷たくなっていく。開ききった瞳孔の瞳は、俗に言う安らかな瞳でー・・僕は血で汚れた手を軽く拭って、その瞼を閉じさせた。
3/15/2024, 12:01:22 PM