産声を上げることなく死んでしまった妹の墓は無く。父も母も逝った今では、覚えているのは私だけとなった。 名もない顔も知らない私の妹、その柔い小骨は炉内で燃え尽き灰の一粒すらも残すことができなかった、哀れな妹。光り輝く美しい世界を見ることなく、家族の温かさを知ることもなく、暗い腹の中で命を止めた妹へ。今年もまた、花を一つ手向ける。テーマ「遠い日の記憶」
7/18/2024, 2:30:13 AM