【無垢】
ホコリの被ったブラインドからオレンジ色の光が差し込んでいた。
部屋は静まり返り、ホコリが西日でキラキラと舞っていた。
そこへ二人の男が話しながら入ってきた。
黒い革ジャンの男と、金髪の男は紙袋を抱えていた
「遅いぞ」
奥のソファから長身の男が声をかけた
「悪い、買い物に手間取った」
革ジャンが答える
「だってさー限定のチョコバーがあったんだよ買うっきゃねーって」
「わかったから」
金髪が捲し立てるのを革ジャンが止めた
長身の男は苛立ちながら言った。
「いいか、時間厳守だ、守れないようならこの計画から降りて貰うからな」
金髪は慌てて話を変えようとした
「あ、わるかったよー、時間厳守ね、わかってるって、それよりさーいっこ質問があるんだけと、無垢ってどういう意味?」
「煩悩から離れるとか、清らかで汚れのないものとか、かな?無垢なる乙女とか言わないか?」
「あーなんか聞いたことあるかも!うぶな女の子ってことかー、いいよなー女の子の純潔って!」
「お前は煩悩だらけだな」
革ジャンが笑った
「いいじゃん煩悩!人間だからねー綺麗なものだけじゃ生きてけないって」
長身は立ち上がり口をひらいた
「そうだな綺麗事だけじゃ腹も膨れない、そろそろ時間だ、俺たちの無垢を迎えに行こうじゃないか、黄金色の無垢を」
「イエーイ待ってました、待っててねー俺の金無垢ちゃん」
5/31/2024, 3:04:11 PM