海喑

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月と星のよく見える夜道を私は貴方と手を繋いで歩いてた。
星々と月の明かりに照らされながら私達は話してたんだ。
私は何年も前からずっと一緒なのに、慣れない恋人繋ぎに照れ、私は俯くんだ。
そして、貴方の顔を見ようと少し上を向いて、貴方を見た。
貴方のあまりにも美しい姿に目を見張る。
月光と星の光の煌めきを纏い、普段の美しさをさらに惹き立ててる。
月下美人とは、この事を言うんだね。
そんな優美さに圧巻され、私はまた俯く。
これを見ていたのかな、貴方は私の顔を見て
「どうしたの、俺の顔になんか付いてる?」
なんて言ってくる、私の態度から大体察しているくせに。とは言わず、顔を火照らせて
「……ただ、綺麗だなって、その、貴方が…星とか月より…」
あぁ、自分で言っていてすごく恥ずかしい、恥ずかしさで死にそうになるよ。
それを聞いて、すごく嬉しそうな顔をしながら貴方は繋いでいない方の顔で私の頬を撫で、笑いつつ
「そういう海暗もすっごく綺麗だと思うよ。」と言った。
そんな、見てるだけで蕩けてしまいそうな顔で言われると何にも言えなくなるよ。
私、貴方のその表情、立ち振る舞い、言動とか全てがまるで星のように煌めいて見えるよ。
そんな貴方とずっといれる事、とても嬉しく思うよ、私は。
私は自分のシャツをキュッと掴んで、今までに無いくらいの笑みを浮かべ、
いつもこうやって私の事褒めてくれたりしてくれてありがとう。
という想いとかを込めて言う
「ありがと!!」って。
その時の私はこれまで以上に煌めいていたと思うな。
だって、私のその顔が大好きって貴方が言ってくれたから。

9/4/2023, 11:31:01 AM