透明な涙鋭い直球が通り過ぎ、バットが空をきると、熱く盛り上がっていた空気が一瞬沈黙した。審判がストライクをコールすると、わっと歓声が耳をつんざく。一気に夏の暑さが戻ってきた。ああ終わったのだと、どこか冷静な自分の横で、普段は泣かないあの子が堪えきれずに零した涙は、どこまでも透明で綺麗だった。ぼくたちの青春が終わった。
1/16/2025, 1:53:53 PM