スリル
捕まるか捕まらないか。出来るか出来ないか。
そういったギリギリのところを楽しむのには度胸がいる。
肝試しをすることになった。
真夜中の廃神社に行って鈴を鳴らす。そうして社の周りを時計回り、次に反時計回り。最後に社に向かって一礼して帰る。そうして待機してある車に戻って次のやつの番。
つい今し方考えた、儀式とも言えない動作。
俺の番になって、怖さの欠片もないままに終えてあとは帰るだけ。
帰るだけなのに。
狛犬のところに誰かがいる。
一緒にきた友達だろうか、ふざけて驚かせに来たのだろうか。それとも、この神社の関係者か。
鈴の音が鳴る。肩を揺らして振り向く。
そんなはずはない。だって今は俺の番で。
「おれを呼んだのはお前だろ」聞いてことのない声が耳元でした。
11/13/2024, 7:22:18 AM