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病室というと、病気になる人が運ばれる部屋と想像するかもしれないが、中には緊張感と疲労困憊と幸せの狭間にいる人も含まれている。
それは産院、または産科である。

赤ちゃんと同室の所もあれば、産院方針によっては別々にすることも多いので、お見舞い客と気兼ねいらずで束の間の会話を楽しんだりする。

つわりや出産はどうだったか、名前の由来を聞いたり、赤ちゃんとガラス越しに対面もして、顔を見てはご両親との共通点を探したりと話が盛り上がったことも数知れずある。

だが、今はどうだろう。
2020年からコロナ禍によって全ての状況が大きく変わり、今も父親の立ち会いでさえまだ厳しいと聞く。
そして、お見舞いも以前のように気軽にはいかない。

たった一人でとても痛く辛い出産に挑むには心細く、頼りになるのはお医者さんと看護師、または助産師さんしかいない。
その中でも、それでも、子どもが産まれたがっているなら、覚悟を決めるしかない。

母親は強く、周りのサポートもあっての奇跡の連続となる、この世の中で最も尊い瞬間。

小さな小さな身体から 初めて聞くその産声には

おめでとうございます!
ありがとう
やったー!!
可愛いねぇ
元気な産声だね

全てがあなたへ降り注ぐ、祝福の言葉を
愛情たっぷり込められていることを覚えていて

そこには毎日誰かしらが産まれてくる、幸せな病室。


8/2/2023, 12:12:20 PM