「あーあ、結局何もしないで夏休みも終わりかー」
最後に聞いたのは確かその一言だった気がする。
去年の夏、何もしないで夏が終わったと言ったあいつはあいつ自身も終わらせた。
「1回でいいから空とか飛んでみたいな」
「なんだよ急に、バカみてー」
あいつはこのクソ暑い大空を一人で飛んだ。
俺との記憶さえ、何も無かった夏休みと表現したあいつはあの時何を考えていたのか、今でもよく分からない。
「なぁ、今年の夏はさお前が満足するまで一緒に遊ぼう。俺じゃ物足りないなんて、言わせねぇからな。」
答えは、このクソ暑い大空にあると思う。
俺は高いところが怖いし、空なんて飛びたいと思ったことはないけれど。
「あーーーー!クソ野郎!!」
俺はまだ、お前としたいことがたくさんあるんだ。
7/19/2025, 4:15:07 PM