拝啓
本日は雲ひとつない青空でまさに春を予感させるような温かい一日でございましたが、いかがお過ごしでしょうか。
本日もこうして貴方にお手紙を差し上げられますこと、嬉しく思っております、
貴方のおっしゃる通り、貴方と共に過ごす時間はあまりに儚く、指の間から零れ落ちる砂のようです。しかし、貴方とこうして離れている時間は長く、眠ることができずに床の上を転がる真夏の熱帯夜のようでございます。
長い時を経て、貴方と共に過ごすことのできる時間はまさに夢のようでございます。比喩ではなく、本当に夢の中にいるようなのです。
しかし、夢は覚めるもの。貴方と共に過ごす時間も必ず終わりが来るのです。貴方と別れる寸前までこのようなことは考えないようにしているつもりでございます。
現実から逃げる幼子が母の胸から離れないように、幼稚ながら私も貴方から離れるのが苦痛で仕方ないのです。
しかし、離れているからこそこのように文として貴方にお伝えすることもできる。貴方への想いを文字に起こすことができる。綺麗事と思えてなりません。
文など書かなくとも、文字に起こさずともよい。ただ私は貴方の隣にいたい。この文も理想との乖離から目を背けた先にできた偶然の産物なのかもしれません。それでも、私の文で貴方のお心が少しでも温かなるのなら私は喜んで文を描きます。
どうか本日も、穏やかにお過ごしくださいませ。
また明日もこうして筆を取れますことを、心より願っております。
敬具
3/18/2026, 1:11:25 PM