「月が綺麗ですね」
伝わるかわからなかった
伝わってほしかった。
伝わってほしくなかった。
こんな言い回しにしたのは振られるのが怖かったから。
誤魔化せると思ったから。
言い訳ができるから。
僕は案外ロマンチストなんだ。
君になら伝わると思ったから。
素直に伝えるのが恥ずかしかったから。
「ふふっ、私は太陽の方が好きです」
伝わった?
伝わった。
伝わったけど。
期待してた。
君が、思わせぶりな態度を取るから。
君のせいにしている訳じゃ無い。
でも、じゃあ、あれは?
何だったんだろう。
どうして。
期待しちゃうじゃないか。
両思いだと思うじゃないか。
怒ってはいない。
悲しくなった。
僕の片思いだったってこと?
何でこんなに勇気を出して。
告白ってのはひどく緊張するものだった。
振られた時のショックはでかい。
神様。
何で。
願いを。
どれだけ。
叶えて。
どうして。
僕は。
いない。
告白。
どうか。
頭の中がぐちゃぐちゃになって。
上手くまとまらない。
月の明かりで足元が照らされている。
夜だと言うのに見えやすかった。
改めて見た彼女の横顔にまた、恋をした。
神様。
貴方はどれだけ残酷なんだ。
これ以上好きになれないくらい好きなのに。
もっともっと好きになった。
僕の限界を超えさせた。
月が、見ている。
暖かく、優しく。
もしも、月にすがっていいなら。
どうか、僕のこの恋心を消して下さい。
ー月に願いをー
私は太陽のほうが好きです:貴方ではなく別の人を愛しています
5/27/2024, 7:14:16 AM