忘れたくても忘れられない
あの人は私の全てとなっていた。
周りは辞めとけと止める。
金は日に日に無くなっていく。
それを補うように始めた仕事は私の心を壊す。
毎日その繰り返しを生きた。
だけどその心も、体も、彼からの言葉で癒された。
嬉しそうな声色は私を生かしてくれた。
彼の言葉は私を喜ばせ幸福と繋ぐ糸となった。
例え色恋営業だとしても
例えその言葉嘘だとしても
私はそれすらも愛してしまった。
私だって何回も逃げようとした。
他の女に盗られたら?
彼の1番が私じゃなくなってしまったら?
離れようとするたびその言葉が脳内を駆け巡る。
呪いのような彼を
私は一生忘れることができないと悟った夜。
今日もネオン街を独り歩いて
忘れたくても忘れられない彼に会いに行った。
10/17/2024, 12:33:11 PM