青羅紗

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初めて出会った日
貴女の瞳は春爛漫と輝いていて、爽やかな風のようだった。
艶やかな髪もすらっとした手足も、私にとっては全てが神様のようで、どうやっても届かない存在なのだと知らしめてくれる。
けれど、私がプレゼントしたリップやマスカラをつけている時だけ、私と同じ俗物に成る。
ずっと、私だけの神様だった。
そうある筈だった。
けれど、貴女は私の事をただのチビな肉塊だと思っていて
私のことは何にも知らなかった。
興味がなかったのだ。
男にばかり縋って性を武器にして生きていく様は惨めで、私なんかよりも底辺のように思えた。
貴女は私の傍にいる時だけ輝いているのだ。
私のような俗物が傍にいるから、輝いて見えるのだ。
引き立て役でも構わなかった。
貴女が美しく輝けるのなら。
それなのに何故、貴女はあんな男の為に死んでしまったのだろう。
私は、貴女の墓石に桜の花弁を飾ろうと思う。
こぼれ落ちるほどたくさん。
それから、一緒にお花見をしよう。
桜に囲まれる貴女は、きっと桜より綺麗だから。





私の本当の神様

3/27/2025, 3:30:31 PM