ミキミヤ

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私はあの日、君とのお別れが寂しすぎて離れがたくてつらくて泣いていた。たぶん君も泣いていたと思うけれど、私は君の泣き顔を見るのが嫌で、君の顔は見なかった。だから、最後に君がどんな顔をしていたのか覚えていない。
どんな顔で泣いてたのか。その涙はどんな色を映していたのか。私には分からずじまい。思い出すのは別れが決まる前の笑顔。純粋な君のことだから、涙はきっと恐ろしいほどに透明で美しかったんだろう。やっぱり見なくてよかった。そんな透明な涙を目にしてしまったら、私はもう何もかも捨てて君のそばにいたくなっただろうから。

1/17/2025, 7:50:15 AM