#⚡#瞳愛してる系主人公【お題、永遠なんて、ないけれど】
煌々と輝く月。背にはどこまでも広がる暗闇がある。辺りは静寂が漂う。鬼ならば良い夜、とでも言うのだろうか。人には理解し難い感覚である。上げていた視線を落とし、目を伏せって考える。鬼殺隊のこと、自分のこと。鬼となった者は元々人だったもので。それを殺す私たちは人殺しなのだろうか?否、それでも殺戮を繰り返す鬼たちを許すことはできない。故に私たちは鬼殺隊で在るのだ。
──だけれど。
時折ふと思うことがある。非公認組織である私たちの活動は、ただのエゴなのではないのかと。悪鬼滅殺という正義を掲げ、善人ぶっているだけで、本当は世の中に存在する人殺しと何ら変わらないのではないかと。そう思ってしまう。
無論、散っていった仲間の命を踏みつけにするつもりはない。彼らの持つ志は、紛うことなき正義だ。大切な誰かを失った悲しみも、人を食らう鬼に対する怒りも、刀を取ることへの決意も、鍛錬のために捧げた時間も、全てそこに帰結する。
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9/28/2025, 10:44:34 PM