ここに日差しはささない。だけどそれで良い。木陰から広場を見る。太陽の下でボールを追いかけてはしゃぐ子供たち。それはまるで、スポットライトの当たる舞台のようで。「あんたにもあんな時代があったんだよ」母が横から口を出す。「そうだよねえ」今はもう、そこには出られないし、出たいとも思わない。シャボン玉が飛んでくる。明るい広場から、風に乗って日陰の私のところへ。まるで何かを伝えるように、私の目の前でぱちんとはじけた。【お題:日差し】
7/2/2024, 10:32:47 AM