「些細なことでも見落としてはいけない」
師匠はそう言っていた。
「この世界……というより、人生が一冊の小説であるならば、どこに伏線があるかは分からない」
師匠にこれまで伏線はありましたか? と問う。
「まだ、分からない。もしかしたら、この会話が後の伏線になってるかもしれない」
そんなことを言っていた。
師匠の人生が一冊の本だったら読んでみたいです。
そう告げる。
「僕は一冊の本になんてならない。誰かの物語の脇役が関の山。僕はモブだからね」
9/3/2024, 11:15:50 AM