入道雲
自室の窓から見る入道雲。
教室の窓から見る入道雲。
電車の窓から見る入道雲。
全部同じ「入道雲」という一般名詞なのに、脳裏に浮かぶ情景は全部違う。
部屋から見る入道雲はどんなのだろう、朝1番に窓から空を見上げているのか、あるいは夏休みに勉強をしながら見ているのか、アイスクリームを頬張りながら見ているのか。
教室から見る入道雲はどんなのだろう、授業中にふと空を見るのか、休み時間に友達と外を見ているのか、お弁当を食べなら見ているのか。
車窓から見る入道雲はどんなのだろう、夕陽に照らされほんのり色付いているのか、もしかしたら、想いを寄せている人と隣に座って、でもお互いに話を切り出せなくて、無言のまま外を見ているのか。
同じ「入道雲」なのに、こんなにも違う。だから私は日本語が好きだ。
2024/6/29
6/29/2024, 12:26:55 PM