題 飛べない翼
飛べない翼なんてあったって仕方ない。
僕はそう思う。
全然空を飛べない僕は
草の上をトボトボと歩きながら、優雅に上空を飛ぶ鳥たちを見る。
スイスイとあっという間に遠くまで行けてしまう鳥たちは、みんな気持ちよさそうな声で鳴いてる。
僕は、ここからどこへもいけない。仲間もそうだ。
ずっとそうだ。ここ以外へ行かせてもらえない。
自由なんてない。
どこへも行けないままここで生を終わることなんて誰が見ても明白だ。
もし羽があったら・・・遠くの町まで行ってみたい。どこまでもどこまでも行ける所まで行きたい。
そして、僕にとっての楽園を見つけたい。
探し続けたい。
そこに降りて、だけど、たまに飛び立つんだ。
自由が欲しくなったら、行きたい場所が出来たら気ままに飛び立つんだ。
誰かの制限を受けずに飛んでいけたらどんなにいいだろう。
何かをうらやましがらずに、自分の人生を謳歌できたらどんなに幸せだろう。
そう思いながら、目の前の草をつまむ。
ニワトリは飛ぶことも出来ないから、そんな想像をするしかない。
でも僕は・・・どうしてだろう。そんな想像をやめることが出来ないんだ。
いつかって・・・いつかはって希望があるからなのかな。
どうか僕に飛べる翼をください。
どこかへ行ける翼を。
どこまでも行ける翼を。
11/11/2024, 3:38:00 PM