二人ぼっち
とろとろと、溶けていきそうな夜だった。
黒の絵の具を空いっぱいに塗り広げて、筆にたっぷりとつけた黄色をひとつ。窓を覗いてみれば、そんな情景だけが広がっていた。気を抜いてしまえば、私は私の形を保つことができずに、この部屋の床と同化してしまうだろう。そんな馬鹿げたことを考えてしまうほどの夜だった。
熱くて、さみしくて、苦しくて。一人ぼっちであればどんなによかったか。横に君がいるから、私は余計に心が締め付けられた。君が吸い続ける煙草の匂いが蔓延するこの部屋から、逃げ出したかった。でも、しなかった。私は自分の意思で、今ここにいる。
どこに行っても、私も君も上手くやっていくことはできない。どうせ二人ぼっちなんだ。離れても、一緒にいても、どうせ苦しい。なら私はどっちを選ぶ?傷の舐め合いでもいいから、一緒にいたい?
横でうつらうつらし始める君を見て、まあどちらでもいいかと、吹っ切れてしまった。夢の中でもきっと二人ぼっち。今はただ、このままでいたい。
3/21/2024, 11:08:45 AM