とおぼえ

Open App

すれ違う瞳

「……」
ファミレスで相席になったのが、まさか君だとは。
静かすぎる空間。
テーブルに並ぶ、口のついていない料理。
君の料理だけが減っていく。
焦る心。それとは反対に、なにも動かない口。
立ち去ろうとする君に声を掛けた。
「なに?」
久々に合った目線。気づいていた左手のそれ。
君の幸せに満ち足りた瞳には、俺はどう映ってる?
「…じゃあな」「バイバイ」
すれ違う瞳。二度と彼女と合うことはなかった。

5/4/2025, 1:02:37 PM