『窓の外の景色』
電車の窓の外を景色が流れていく。私は普段電車に乗ってもスマホを触るかウトウトするかのどちらかでしかないことがほとんどなのだが、たまにぼんやりと車窓の向こうに見える景色を眺めることがある。するとたいてい何かかしらの発見があるのだ。あのお店気になるなとなって後日訪れたら隠れた名店だったこともある。普段見ることがないのだからそれも当たり前なのかもしれない。
とはいえ、私はこのスタイルを変える気はさらさらない。たまたま見つけるからこそ喜びがひとしおとなるというのもあるが、それ以上に普段の生活スタイルが影響している。毎日30分ほど同じ道を歩く生活をしているのだが、いつからか景色と信号を結びつけるようになってしまったのだ。この木を越えた時点で青なら間に合う。この自販機で赤になったのなら信号に着くころにはちょうど青に変わるなどどう考えても情緒もへったくれもない思考である。それが一度電車の窓から見える景色に波及しかけたことがある。この建物を通り過ぎたのが子の時間か、なら定刻通りに運行しているななどと考えてしまった瞬間普段使う路線では二度と意識して外は見ないと誓った。これからも偶然の出会いを楽しんでいきたい。今日も電車の窓の外を景色が流れていく。
『秋🍁』
秋は私を複雑な気持ちにさせる。あの日、私たちの努力は報われた。絶対に金賞を取ろうと意気込んで全力で練習した応援合戦で私たちのクラスは見事に金賞を掴み取った。あの時の体育祭は今も色濃く私の記憶に焼き付いている。あの日、私たちの努力は実らなかった。毎日必死に練習を積み重ねて臨んだ合唱コンクール、私たちのグループは呼ばれなかった。後から2曲あった課題曲のうち、私たちが選ばなかった方の課題曲を選んだ3グループがすべての賞を独占していったことを知った。審査員の趣味嗜好によって努力が否定されてしまったのだと私たちの怒りと悲しみは収まらなかった。
あの日、私は仲の良い友人たちと出かけた。昼間は観光をして美味しいものを食べ歩いた。そして夜は広いコテージに泊まりBBQをしたりゲームをしたりして遅くまで騒ぎ続けた。私の最も楽しかった旅行だ。あの日、私は修学旅行で些細なことから仲違いしてしまった。周りの友人のとりなしも振り払ってしばらくは対立してしまった。私自身はまだ良いが、関係のない班員の思い出に泥を塗ってしまった。私の一番失敗した旅行だ。
秋は涼しくなり行事が増える。良い思い出、そうじゃない思い出、そのすべてが秋風に吹かれていると思い出される。今年も様々な思い出をのせて秋めく
9/26/2024, 1:06:10 PM