せつか

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学生が引っ越して空室になったアパート。
患者さんが亡くなって空いてしまった病室。
建物自体が廃墟と化したビルの空っぽのテナント。

ただ留守にしてる部屋の静寂と、もう二度と住人が戻ること無い部屋は、やっぱり何かが違う気がする。
人の営みが止まってしまった寂しさや、時がもう進む事は無いのだという虚しさが漂うからだろうか。
いつか帰ってくる、いつか誰かが来るという期待や希望が空っぽの部屋に満ちていれば、この寂寥感はきっと気付かずにいられたのだろう。

誰もいない部屋の温度に、私は思わず両腕を抱えてさすった。


END


「静寂に包まれた部屋」

9/29/2024, 11:19:16 AM