多田野一人

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窓越しに見えるのは
今朝も朝から雨模様…屋根越しに聴こえてくる雨音に起こされた…カーテンの隙間から、窓を滑り降ちる雨粒を確認して、少ししか開かない瞼を擦りながら、蒲団から出た。ぼんやりしたいつもの朝の支度を済ませて、車に乗った…エンジンをかけて、ワイパーを作動させて、シートベルトをして、ハンドルを握り、軽く目を閉じて…目を開くと、一瞬、あの日のあの人が見えた…まだお互いに制服姿で、そう、あの日も雨で二人並んで傘差して歩いていた…口数が少ない二人だったけれど、とても幸せな一時…永遠を信じていたあの日…

7/1/2023, 2:33:18 PM