『眠りにつく前に』
何年…いや何十年前線で相棒と共に戦ってきただろう。
私も人間である以上年齢には抗えない。
いや、この世界魔法という物で年齢を戻せるらしいが、
私はそういうものには頼らずに
真っ当に命を終わらせたかった。
相棒ももうボロボロだ。何度も熱を浴び叩かれ見た目は新品そのものに戻るが、やはり染み付いた血肉は芯を錆びさせていた。
私は思い出の、私が初めての相棒と出会い今の
私の原点の森へと足を運んだ。
この森の奥にはそれなりに大きな湖がある。
私はその湖に腹部まで浸かるように入り、横になった。
鳥や水の音が私の中に響いているようだった。
私は今ここで命が尽きるのをなんとなくわかっていた。
相棒の刃ももう錆び付いてしまっている。
静かに目を閉じて永遠の眠りにつく前に1つ考え事をしていた。
きっと国の為とはいえ沢山の命を奪った私に安らかな眠りを
神は与えてくれるのかと…
そんなことを考えながら相棒を大事に守る子供のように私は眠るように息を引き取った。
11/2/2023, 10:59:35 PM