りくのいるか

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何でもないフリ

私は対人恐怖症だ

他人が物凄く怖い。

子供の頃、実は人間では無い事がバレてしまうのでは無いかと常に怯えていた。

お医者さんに連れて行かれたら、内臓が人間では無いのがバレてしまうのが怖くて

断末魔の獣のように泣き叫んで
親を困らせていた。

学校に行くと人一倍高い身長と体重で常に目立ち、暴れん坊の男の子達から怪獣ごっこの生贄になって

常に血を流していた。

両親は共働きで、母親がPTA活動が全く出来なかった為、苦情の心配が無かった上に

学校の先生も体罰全盛期の頃だったので

「大女、総身に知恵が回りかね」

と、先生もいじめっ子達と一緒に笑っていた。

学校帰りに
いつも男の子のいじめっ子5、6人から待ち伏せされて、

靴やカバンや石で気が済むまで殴られて地面に倒れていたが、

なぜ、こんなに私に執着して、殴ったり蹴ったりするのだろう、なぜ私を殴りながら笑うのだろう。

私をブスと罵りながら笑っている顔は、なんて醜い表情だろう。

と、じーっといじめっ子達を観察していた。

物凄い痛みだったが、

対比で

横倒しの視点から見た地面と草花、眩しい陽光がやけに美しかった。

少しでも小さくなりたくて、いつも猫背で俯いていたので、

「子供らしくない。可愛くない。根暗女、笑え!」

と、毎日、先生から笑うまでひっぱたかれた。

「お前が普通になれるように暴力で身体に分からせてやってるんだ!お前は大人になった時、私に感謝するようになるだろう。」

私は、廊下に机と椅子を投げ出され、先生が捕まえて檻に入れた鳩の隣の席になった。

「クルックー。ポッポー。」
上目遣いで鳩が私を見ていた。

あの教室では私より鳩の方が位が上だった。

私は普通の人間じゃないんだ……普通の人間のフリをして生きなければ……バレたら殺される。

『フルメタル・ジャケット』と言う映画の主人公を見た時、私かと思った。

でも、平気なフリをして、今日も生きる。


12/11/2022, 2:15:13 PM