僕にはこれまでずっと、みんなに隠してきたことがある。それは、僕が20代の頃に犯した犯罪のことだ。
僕はまだ若く、人を傷付けるということがどういうものか、分かっていなかった。感情のままに動くことが、どういう結果をもたらすのかについても…
あの夜、僕は真っ暗な闇の中を、パトカーの後部座席に乗って走った。手には冷たい手錠がはまり、両側には屈強な警官がいた。
拘置所のことはよく覚えていない。次の記憶は、裁判所で衝立を隔てて、被害者の証言を聞いている場面だ。
僕の顔も見たくないのだろう。それは、そうだ。僕が犯した犯罪に、自分ながら反吐が出るような嫌悪感を覚えている。
【これまでずっと】
7/13/2023, 2:51:36 AM