朝、何時もの時間に君を見送って朝食の後片付けをしようとキッチンの流しに向かい、ふとした拍子に顔を上げた時だった。真っ黒いスマホケースが目の前のカウンターに、ちょこんと乗っかっている。君のだ。わすれものっ。一瞬フリーズして、それからアワアワと泡まみれの両手を洗って手早く水分を拭き取ると、君のスマホケースを鷲掴みにして玄関までの短い廊下を駆けた。テーマ「どうして」
1/15/2024, 7:54:01 AM