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ポコン、と音を合図に画面を開いた。
隣が拳を振り上げた風を感じつつ、
当然な気持ちで表示を見せる。
「当選したのか、おめでとう」
「有難うだけどそんな堂々と落選見せんな??」
「いつもの事だしな。一人で楽しんで来てくれ」
「お前……お前本当いつもそう……」
開かれたスケジュール帳、書き込まれた沢山の予定。
その殆どを共有しないままカレンダーを閉じる。
直前とは打って変わって机にいじける背中が、何処か可哀想でもあった。
「この手のイベントまじでお前と行けた試しないんだが?運が悪いにも程があるだろ!」
「前半は完全同意だな」
「後半!後半も!」
「まぁ、そうだな」
カレンダーは殆ど白いが、一月後には最重要マーク。
暇な日は大概こうしてつるんでいると思えば、一人秘密の買い物には行きにくい。
ましてこの手のイベントは、共に行くより興奮し切った感想を聞くのが楽しいものだし。
だからまあ、個人視点で言えば運は決して悪くない。
悪くない、が。
「お前の友になる為に、一生分の運使ったんだろ」
「おま、お前まじ素面でなに?!」
独りのまま終わった前回に比べれば、
独りのまま終わらせてしまった事に比べれば。
「お前と出会えて良かったってだけの話」
「今そんな深い話するフリあったかぁ?!」

‹最悪›

6/7/2024, 8:59:07 AM