神様へ
誕生日になると思い出す。
父と交わした最後の約束。
「必ず帰ってくるから。そしたら一緒にケーキ食べよう」
必ず帰るって言ったのに。
一緒にケーキを食べようと約束したのに。
消防士だった父は火災現場に駆けつけ、
知らない子どもを庇って死んだ。
当時の私と歳の変わらない子どもだった。
父の死は小さくともニュースになり、
見た人は父の死を悔やみ、
そして未来ある子どもを守ったことを評価した。
消防士としては名誉のある死だったのだろうか。
だったら父親としてはどうなのだろうか。
今更考えたって無駄なことだった。
父はもういないし、
私の誕生日は父が亡くなった日だからと、
祝われることもなくなった。
ねぇ、神様。
私お父さんのところにいきたいよ。
お父さんに会いたいよ。
ねぇ、神様。
今度こそ、
今度こそ私を幸せにして。
4/14/2026, 2:59:49 PM