一寸の虫にも五分の魂というが、家の中に出る虫だと、小さな羽虫や蚊は見つけ次第つぶせるが、なぜか蜘蛛はできない。あの造形と柔らかそうな体のせいだろうか。
Gは別格なので触れないでおく。
蜘蛛は家の中の害虫(益虫、害虫という区分も人間の都合だが)を食べてくれるらしい。それでも視界にいると気になってしまう。
たまに小さな蜘蛛が壁やカーテンに張り付いているが、直接触れないようティッシュをかぶせて捕まえる。意外とすばしっこい。捕まえられたらそっと外に逃がす。
家の外に巨大な蜘蛛の巣が張っていて、そこに鎮座する主を見たときはどうしようかと思った。
払っても払っても、いつのまにか巨大な巣ができている。
心の中で謝りつつスプレーを噴射した。
巣の主は一寸=3.03センチより大きかった。虫が大きいほど逡巡も大きくなる。大きさで魂に差があるとは思えないのだが人間は勝手である。
『小さな命』
2/25/2024, 1:31:30 AM