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今日は何日であろうか、、、忘れてしまった。
病室の中で、自分はカレンダーを探した。
「ああ、○月✕日の○曜日か」




カレンダーを見てベッドに戻る自分
そんな自分に日々の衰えを感じる……
前はカレンダーなど見ずとも曜日を覚えられたのに
ベッドに出戻る生活をするなんて
「私も衰えたな」


ガラガラ…「おはようございます!斎藤さん。」
病室の扉が急に開いたと見ていたら、私の看護師である、甲斐さんが今日もご飯を持って来てくれた。

「ああ、おはよう、甲斐さん。今日のご飯かい…?」
「ええ、、今日はお魚ですよ。昨日斎藤さんが食べたいとおっしゃっていたので。」
「そんな事言ってたかね…。」
「ええ。」


またか、、昨日の会話など自分の記憶から無くなってるのは何度目であろうか。

そう思いながらご飯を食べた。

そしてまた数日が立った。
ある日の朝…

「カレンダーはどこだ、、何日であろうか…」
また、病室の中で自分はカレンダーを探していた。
その時にまた扉の方からガラガラ…と開く音がする。
「おはようございます!斎藤さん。」
斎藤、、
誰であろう、、
「甲斐さん、、斎藤さんとは誰のことだ?」
「分からないんですか…?」
「ああ、これっぽっちも」





また、数日後
いつもガラガラとなる扉は、決まってこの時間だ。
「またか、斎藤さん、おはよう。」
と入ってくる…看護師姿の女の人に声をかける。

「おはようございます、斎藤さん。私は甲斐ですよ。」
「ああ、そうであったな、、」
「いつも間違っててすまん」



また、数日

誰であろう、、自分はと、、
老いた枯葉の手は動かない
ガラガラとなる音はいつも通りに鳴るが何の音であったか、忘れてしまった。
甲斐さんは「今日も大丈夫ですか」と聞いてくる
大丈夫だ元気だと、、口を動かす。
聞こえているのであろうか。


ああ今日も枯葉達が落ちているな。いつも通る歩行者通路には今日も散乱と落ちていた。
「今日も頑張るか」と青年が声を張る。
慣れた手つきで、枯葉は1箇所に集まっていく
そして集まった葉を青年はゴミ箱に捨てていった。

そこに青年に声をかけていく者がいた。

「今日もありがとう。お疲れ様。」
「いえいえ、毎度のことですのでまた落ちていたら何時でも言って下さい。」
「枯葉はまた出てくるもんな」
「ええ、1日と経つ事枯れていく。何もしていなくても若い葉との交代が迫られていく。そんな枯葉は人間ですよ私たちと同じ、人間です…」

「そういう風に感じて甲斐甲斐しく君が枯葉お世話してくれているだけで、枯葉は天国に行けたであろうよ、、、」

「それだと嬉しいです…。」

「また、若い葉に成って帰って来て欲しいなと、
思えるので」

「はは笑」
「ずっとそう思っていたらいい、君が忘れなかったら、枯葉にも伝わるさ、」

「ところで、青年。君の名前は?」




「斎藤です。まだしがない清掃員ですが、」
「そうか、斎藤くん。まあ、いつかまた会えるだろう。」

「話を出来て嬉しかった、自分があの時感じたかったことも思い出せたよ。」とおじいさんは言う。
「はい、それなら良かったです。また会う時に覚えておきたいので聞かせてください、おじいさんの名前は?」

「ああ、私は斎藤だよ。」

「またな、そろそろベッドに戻らなければ。」



とおじいさんは、、
一瞬、信じれなかったが
目の前で天国へと消えていった。




「斎藤さん、、ご臨終です。」

2/20/2024, 3:25:30 AM