微睡み

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友達



いつからか、君の澄んだ瞳をまっすぐ見つめることがつらくなった。蜂蜜色のカラコンが不思議と似合っている君は、目を細めて笑う癖がある。ほら、今だって。ひこうき雲を指さして、まるで子供みたいに楽しそうな三日月が覗く。焦げるほど甘い蜂蜜がちらりと見える度に申し訳なさが募ってゆく。子供みたいな君は見たくないのよ。しゃんと背を伸ばしてじっと遠くを見つめる君の横顔が、好きだった。
「本当に好きだよ」知ってる。
「いちばんの友だちだって思ってる」
君を傷つけるのがいやだから、同意することはせず曖昧に微笑んだ。私も、すきだよ。君とは違う形だけどね。心の中で呟いた。君はなにも知らなくていいの。
「私も」えっ? 蜂蜜色が満月になる。
「私も、すきだよ」
頬を染める愛らしい君。私は吐きそうになるため息を飲み込んで、ひこうき雲を見上げた。

10/25/2022, 10:25:51 AM