緑碧

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「ねぇ、書くもの忘れちゃったから、何か貸してくれない?」と彼女に言われて、ペンケースの中を探して、あまり使っていないシャーペンを渡した。
僕がいつも使っているものを使うのは彼女は嫌かなと思ったからだ。
「ありがとう」と言って彼女が離れていく。
授業が終わって「貸してくれてありがとう。それ、使い心地がいいね」と言って、彼女は微笑んで貸していたシャーペンを僕に返した。
ドキドキしてしまったのは、恋か、愛か、それとも、彼女と初めて話したことによる緊張のせいだったのか分からない。

6/5/2025, 9:46:06 AM