すてばのねずみ

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白い地にに黒い家紋を染め抜いた羽織が風になびく様はモンシロチョウを連想させたが、その男の本質は毒蜂の戦士である。その肉体には無数の刀傷が刻まれており、戰場から帰るたび確実に増えていくため、
「やつはアーティストだ。やつはわざと傷を受け、自分の体をキャンパスにして絵を描いてやがるのさ」
などと話されている。確かに、彼の傷跡をよく見ると、まるで龍が大口を開け咆哮しながら天へ駆け昇るように見えてくるのだ。

5/11/2024, 3:32:21 AM