「カーテン」
いつもはアラームがやかましく瞼をこじ開けるが、休日である今日はなにからも邪魔されることなく目が覚めた。
半分開いた窓、網戸の合間からは、秋風か吹き込んでいる。風と共に揺れるカーテンが巻き上がり、朝の日差しが枕元、私の顔にも降りそそぐ。
目が覚めてはいるが、まだ覚醒仕切っていない頭は、靡き揺れるカーテンをただ眺める。
効果音をつけるなら、ふわり、ゆらりだろう。
風にのって、変幻自在に形を変えるカーテンは、秋風が形となって見えているようで、おもしろい。
本来目に見えずに、感じることしかできないものが、こうして間接的に見えるのは、不思議な気持ちになる。
そんなことを思いながらも、少し肌寒くなってきたこともあり、名残惜しくも窓をしめる。
先程まで生き物のように動いていたカーテンも、ただの布になってしまった。
7/1/2025, 9:05:46 AM