蒼ノ歌

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『遠い日の記憶』

街の喧騒、コンクリートが敷き詰められ、背の高いビルディングが立ち並ぶ。人、パトカーのサイレン、ヒト、車、そして人。少しだけ息がしづらい。

私の記憶は、酷く静かなものだ。
それはまるで、広い平野の畦道で遠くに聳える山を眺むような、葉の擦れる音が空に舞うような、白い軌跡を残す飛行機の音が何処からか聞こえてくるような、そんな感じだ。
記憶の中の時間は緩やかで、今よりも少し周りが綺麗に見えていた。
色で例えるならなんだろう...青いかもしれない。青春の青さとは少し違った青。なんとなく白や緑な感じもする。毎日風を感じていた。嗚呼、"爽やか"なのかもしれない。
あの時は、私の瞳まで青く染まっていたような気がする。
...戻りたい、戻らせてちょうだい。そう願ってしまう。

7/18/2024, 2:39:16 AM