昔の記憶
大きな煙突のある家で心弾ませ布団に潜った
彼が来てくれることを
今か今かと待ち侘びていつの間にか眠っていた
眠っていても彼を待つ意識はある
ふと枕元に人気を感じて飛び起きた
赤い服を身に纏った白髪の男
彼だ!彼が来たんだ!僕は見たぞ!
すると体の力がふっと抜けて布団に倒れ込んだ
彼は優しく微笑んでいた
凍えそうなほど寒い季節
寒さなど感じない規則的な部屋の中で
今年もあの音がする
耳をつんざくようなベルの音
赤い服を着た白髪の彼が枕元で笑っているんだ
12/20/2022, 10:38:04 AM