閉ざされた日記が頭の中にある。君といた数年間を書きつけた日記だ。君がいなくなった日に、僕は鍵をかけて記憶の奥にそれをしまった。右耳が熱い。君の最後の囁きが吹き込まれたのを、耳は憶えている。日記に閉じ込めきれない君の痕跡は、僕の身体中に散らばっている。星空。カフェラテ。スイートピー。君の好きなもの全て、僕の好きな君の全て。日記の文字は増えていく。鍵も開けないままに。僕が君を思い出す度に。
1/18/2024, 2:18:10 PM