冬至。

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「別に、信じてるわけではないの」
「ただ逃げないように手綱を握ってるだけよ」
側に居て欲しい。
たったそれだけの言葉なのにくちに出せない哀れな少女。
その気持ちを察してあえてくちに出さず、振り回されてる振りをしてそっと付き添うにこやかな少女。
傍目にはそれはれっきとした友と呼べるものに見えると言うのに彼女は悲しそうに今日も話しかけるのだ。
「本当にあなたはわたしが居ないと何も出来ないんだから」
「そうだね。だからずっとわたしのお世話をお願いね」
笑顔で言葉を返す少女に向かって彼女は微笑み返した。
「仕方ないわね。一生お世話してあげるわよ」
これは手綱。
自分から決して逃げ出さないように。
離れていかないように。
ずっとずっと側に居れるように。


                     (絆)

3/7/2026, 9:00:13 AM