雨宮 月綺

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𖤣𖥧𖥣。忘れたくても忘れられない𖤣𖥧𖥣。

先輩、今日も私はあなたの姿を学校で探しました。

あのたった一日の夏の思い出。遊びに誘ってくれて、お祭り一緒に行って。私にとって憧れで、ずっと遠くから眺めていた先輩からのお誘いは夢のようで…。
優しくゆったりとした声。大きくて骨ばった手。優しく微笑む顔。モテ男のような甘い香水ではなく清潔感のある洗剤の香り。車を運転する姿。

私は忘れたくてもふとした瞬間に思い出してしまうのです。先輩とは連絡が取れなくなっても。

何度も決心したのに。忘れよう、忘れよう。
でもやっぱり先輩の姿を見つけると耳に残っている声が、肩が近くにあった体温が、洗剤の香りが思い出され、身体を駆け巡り熱くなるのです。心は氷のようにひんやりと冷たいのに。

こっちの気も知らないで廊下を楽しそうに友達と歩く姿。私は何も気にしてないフリをしてすれ違い、必ず振り返るのです。少しの期待を胸に。

私はあしたも探してしまうでしょう。たった一日の思い出の中にいる大好きな先輩を。


10/18/2023, 9:57:59 AM