真夜中、意図的な静寂。沈黙とは偶然の産物ではなく、作り出すものらしい。
紙に水を含ませ、絵の具を垂らす。じわりと滲んで広がる。さながら宇宙のようだと、興味もない空の果てに思いを馳せる振りをする。
思考はこの紙一枚に満たされている。
ひたひたと、少しずつ。一つの絵の具が滲みながら二つの色彩を織り成す。
分離色。一つに二つの不思議な世界。
絵を描くことは得意ではない。でも色で遊ぶのは好きだ。
人の気配も物音もない静寂の中で、誰にも邪魔されずに色と遊ぶ。誰の意見も音も聞きたくない。一人で、この色彩の魔法に溺れていたい。
〉だから、一人でいたい。
クサカベのハルモニアを買いに行きたい。
7/31/2022, 10:49:19 AM