2/4「Kiss」
閉じたそのまぶたに。額に。頬に。そっと、キスを繰り返す。
小憎らしいほどに可愛らしい、僕の天使。小さな寝息を立てている。
うなじに、肩に、肘に、キス。僕の唇は、ゆっくりと降りていく。
やがて耐えきれず、そのふわふわのお腹に顔をうずめて、僕は思い切り息を吸った。
すはーーーーーーー。
猫、最高。
(所要時間:6分)
2/3「1000年先も」
50年ぶりに、創造神が眼の前に現れた。閉じていた目を開き、神殺しの剣を構える。神は片手を上げて制した。
「戦いにではない。交渉に来た」
「そうですか」
剣を下ろす。
「どのような?」
「お前が人間を守り続けて200年。人間は変わらず争いを続けている」
「なるほど。結局、人間を滅ぼしたいと?」
「そうとは言っておらぬ。ただ、そろそろ、やめてもいいのではないか」
「いいえ。私はそれでも人間の護り人です」
神は目を細める。
「1000年先も、人間は争い続けるだろう。それでもか?」
「それでも。1000年先も、守り続けましょう」
神は溜息をつき、踵を返した。
(所要時間:8分)
2/4/2024, 11:44:37 PM